「なぁ、俺ってなんで彼女いねーの?」



「知るかよそんなの」




今日も隼人にくだらない話を聞かされている。




「自分で言うのもあれだけど…俺って結構顔いいじゃん?」



「…そーゆとこじゃね」




まぁ、確かに隼人は男の俺から見てもイケメンだと思う。




「は〜彼女ほしい」



「お前なら簡単に出来るだろ」



「お、乃亜クン慰めてくれるの?」



「なわけ」



「…いいよな〜お前は。
羽衣ちゃんという可愛い彼女がいてさ」



「お前……羽衣ちゃんとか可愛いとかまじでやめろ」



「相変わらずかよっ…
どうせ明日のバレンタインも羽衣ちゃんから貰うんだろ?」



「…バレンタイン。」




…バレンタイン。

すっかり忘れてた。



…ってか早速羽衣ちゃんって呼ぶんじゃねーよ。




「お、乃亜クン忘れてた感じー?」



「…あぁ」




…すげぇ、今になって気になってきた。


バレンタインなんかいつも全然気にしてなかったのに。