「羽衣逃げない…ほら、キスに応える」
「んっ…のあく、んっ…すき…」
「…っ俺、結構余裕ないかも」
そう言って、乃亜くんから先程よりももっと甘いキスが降ってくる。
息がしずらくて苦しいけれど…それ以上に心地いい。
大好きな乃亜くんとのキス。
幸せでとっても甘い時間。
「羽衣…もう寝たフリしないで」
キスを止めたかと思えばそんなことを言ってくる乃亜くん。
「…っどう、して?」
「恥ずかしすぎんだろ…全部内容聞かれてるとか」
「ふふっ…やだ、またするっ」
「…なんで」
─────だって、乃亜くんの甘い時間が始まるは私が眠りに堕ちてからなんだもん。
だから…私が眠りに堕ちたフリをすれば乃亜くんの甘々姿が見れるんだよ?
そんなの辞められるわけないよ。
だからたまにはしてもいいよね…?
「…えへっ、内緒!」
「ふーん…じゃ襲っちゃお」
「んっ…、んん」
「…羽衣愛してる」
今は私も起きているけれど。
乃亜くんはとっても甘い。
────私たちのとびきり甘い時間はまだ始まったばかりだ。
【眠りに堕ちて、甘い時間。】
fin.