ベッドが少し弾んで乃亜くんが降りたことがわかった。
「…よいしょっと」
乃亜くんが行っちゃう。
乃亜くんの髪の毛が乾かせない…触れない。
そんなのやだ…っ!
─────パシッ
「乃亜くん行かないで…!」
咄嗟に起き上がり乃亜くんの腕を掴んだ。
「…は、え、羽衣?」
乃亜くんは目を大きく開けてぱちくりしている。
びっくりしたよね…?
「…乃亜くん私が髪乾かすっ」
一刻も早く乃亜くんの髪を乾かしたいの。
乃亜くんが風邪ひいちゃうなんて私いやだよ。
「え、待って…羽衣起きてた?」
…乃亜くんはそんなことより私が起きていたことがあまりにも衝撃だったみたい。
「…うん」
こくりと頷けば、はあーとため息をつく乃亜くん。
呆れちゃったかな?
「嘘だろ、完全にやられた」
「うっ…ご、ごめんなさい」
「羽衣、寝るフリ上手すぎ」
「…えへへっ」
ちょっと褒められただけですぐに浮かれる私。
乃亜くんの一言で私のことテンションは変わるのだ。
自分でもちょろいなって思う…