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…うっ、緊張がMAXに達した白石 羽衣。
とうとうこの瞬間が訪れた。
いや、ものすごく楽しみにしていたけれど…
やっぱりこんな私が彼女だと知ってご家族の皆様は悲しまないだろうか…。
「うっ…の、乃亜くん」
「どうしたの、羽衣」
「緊張で死にそうです。」
「羽衣に死なれたら俺が困る。」
「乃亜くん…っ」
キュンとしていちゃダメなんだけど…やっぱり乃亜くんの一つ一つの言葉が私の胸をときめかせるんだもんっ!
「大丈夫だよ…ちょっと騒がしいけど良い家族だし」
「わ、わかった…!」
「うん、ほらリラックス」
な、なんか私…結婚の挨拶並に緊張してる気がするんだけど…!
そ、うだよね…乃亜くんが言うようにリラックスしないとだよね!
「うんっ!」