ドタバタと家中を駆け回る。


なんで急いでる時に限って無くなるかな〜!




「…羽衣、なんでそんな慌ててんの?」



「あ、お兄ちゃん…!あのね、これから出かけるっていうのに私のくしが無いの!」



「くし?…あー、もしかしてこれ?」




私のお兄ちゃんである衣織(いおり)の手にはピンク色のくしが握られていて…


それはまさに私のくし!




「なんでお兄ちゃんが持ってるの!」



「え、さっき使ってて…そのまま持ってきちゃった」



「え!使ったの?やだ!お兄ちゃん汚い〜」



「は?なにひどっ…
羽衣…俺のことそんな風に思ってたのか」