その拍子に羽衣の唇が俺の唇に重なった。



……は、え、落ち着け。

今日はなんだか特に余裕がない。



羽衣は目をぱちくりしている…




「の、乃亜くんごめんね…重いよね!今降りる…っ」



「いや、別に重くは全然ないんだけど…」




羽衣、そこじゃないんだよ…



キスしちゃったから。


さりげなーく、事故だったんだろうけど…心落ち着かせる間もなくキスしちゃったから。




「えっ?…じゃこのままでいてもいい?」



「ん?」




いやさ、なんでそーなんの?


俺を苦しめる悪魔?

いや…天使なんだけど、可愛いすぎて俺を苦しめてくるから…悪魔みたいな?


あーもうダメだわ。

俺、何言ってんのか自分でもわかんなくなってきた。




「乃亜くんとくっついてたいの!
だから、乃亜くんが重くないならこのままでいたい…っ」




そして、ぎゅっと俺にしがみついてきた羽衣。



ほんとに、羽衣はバカだ。


俺じゃなきゃとっくに手出されてるから…




「…羽衣、それはさちょっと危ない」



「危ない??」



「…そう、羽衣が嫌がることしちゃうかも」



「私、乃亜くんにされて嫌なことなんてないよ!」