｢…っ、私の方が乃亜くんのこと好きだよ…っ｣



｢いや、俺だろ｣




そう言ってくれるのはほんとに嬉しい。


…けど、この羽衣への気持ちは誰にも負けない自信がある。




｢じゃ、あ……して…｣



｢ん？なに？｣




羽衣が何か言った気がするけど上手く聞き取れなかった。




｢乃亜くん…キ、スして？｣



｢…は？｣




羽衣ったら急に何言ってんの。


この状況でキスするとか本当になに。


俺を殺す気？



いつにも増して大胆だし。


俺まじで死にそう…




｢…ダメなの？｣



｢っ、｣




ダメとかそういうことじゃなくて…


俺だってキスしたい。


でも、今したら止まれなくなりそう。


羽衣のためを思って言ってんの。




｢…やっぱり…嫌なの？｣



｢っ違う…っ！｣



｢…じゃ、どうして？｣



｢それは…｣




止まれなくなりそうなんてかっこ悪い気がする。


羽衣のことが好きすぎる変態だと思われるかもしれない…



ここは余裕を偽ってキスするしかない…か。




｢乃亜くん？｣



｢わかった…｣