「乃亜くーん!」



「…え、なに?」




いつの間にか羽衣は戻ってきていたらしい。




「はい!乃亜くん!
ハッピーバレンタイン!」



「…は?」




羽衣からお洒落な紙袋を渡された。



…今、ハッピーバレンタインって言ったよな?


え、まさか俺にくれんの?



羽衣のことだからバレンタインのことすっかり忘れてるのかと思ったけどやっぱり覚えてたんだ。



「乃亜くんのお口に合うといいんだけど…」



「羽衣…これ俺にくれんの?」



「そうだよ?今日バレンタイン!
ずっと何あげようか考えてたんだよ〜」



「うそ、羽衣バレンタインのこと忘れてるのかと…」



「忘れないよー!ちゃんと計画してました!ずっとネットで調べてたんだよ〜」



「え、じゃあ昨日のスマホ見てたのも…」



「あ、そう!ラッピングってどういうのがいいのかな〜って!」



「なんだ…」




これで俺のモヤモヤした気持ちも晴れた。




「へへっ、前に乃亜くん甘いもの好きって言ってたから頑張ったんだよ!」