私の名はリティシア・ローズ。この国の公爵家の娘である。
父は私のことを……いや、父だけでなく、母や兄までも私のことをものすごーーーく甘やかしている。
花よ喋よと育てられ、砂糖のように繊細に扱われ外の世界を何も知らずに家の中が私の世界となった。
そんな私に家の図書館の本から得た知識は外への憧れをより一層強めることとなった。

お兄様やお父様は外の世界は汚くて腐敗しているから脆く弱い私を出せないと言うけれど、
きっと外の世界は素晴らしく輝いて素敵な___とびっきりの甘い恋愛があるんだわ。

リティシアは図書館にある恋愛小説を読んだことで、恋愛に対して強い執着や憧れがあった。
悲劇の王子と平民の物語は中でもリティシアのお気に入りだった。

こんな恋愛をいつか私も_____傍で見たい!


そう、リティシアは見る専であった。