ゆっくりとルイは言葉を選んで話し始めた。
「リサ、俺お前が居なくなってすぐに母親に会いに行ったんだ。」
ルイの言った事に驚いてルイの方を見た。
ルイはすごく柔らかく、優しい表情をしていた。
「俺さ、昔はすごく母親のことが大好きだったんだ。
いつも、優しくて公園で転んで怪我をしたら
バンドエイドを持ち歩いていてくれて、
魔法の絆創膏だって言って、貼ってくれた。
リンゴも、ウサギの形のリンゴ、あれは母が俺を愛していてくれたっていう証拠だった。
だけど、そんな事も最近まで思い出せずにいたんだ。
ずっと母親に捨てられたって、裏切られたって思ってて、
それを認めたくなくってずっと否定し続けようとしてきてたんだ。
苦しくて、辛くて・・・
だから、俺は全てを無かったことにして来てたんだ。
愛されていたことさえも、無かったことに・・・」