わたし、きっと、そうだよね。
頭の中で理沙ちゃんのセリフを復唱する。
『一般的に一緒にいたらドキドキするとか、もっと一緒にいたいとか、独り占めしたいとかじゃない?ほかの子と話してたらモヤモヤして苦しくなったりとかも』
わたしわかったかも。
これはきっと、ぜったいにそれしかないよ。
「優乃?」
先輩の顔が見れずに俯いていたわたしを覗き込んでくる。
至近距離で目が合って、心臓がありえないほど大きく音を立てた。
まっすぐな先輩の瞳に吸い込まれそう。
わたしだけを映すこの瞳を独占したいって思ってる。
「先輩……」
「ん?」
優しく聞き返してくれる先輩。
休みの間、ずっと考えていたのは先輩のこと。
そういえばここ最近は伊月先輩の顔ばかり浮かんでいた。
一緒にいたいって思ってた。
初めて、ドキドキした。
無意識に独占したいと思った。
意識しても、独占したいって思ってる。
先輩がわたし以外の女の子に触れようとしたのが嫌だった。
触れたらもちろん嫌で、初めて心がモヤモヤして少し苦しくなった。
思い出しても苦しいな。