「なんであんたが要と一緒にいんのかって聞いてんの。要は特定の女とはいないんだよ。ましてや外で遊ぶとかありえないの」
「そうなんですか?」
外で遊んだけどなぁ。
わたしはまだまだ先輩のこと知らないみたいだ。
「むかつく。自分は特別とか思わないでよ。要はあんただけじゃないんだから。遊ばれてるんだよ」
いきなり早口でたくさん言われてもわからない。
わたしは、屋上へ行かないといけないのに。
「そうなんですね。あの、わたしお弁当を食べたいので失礼します」
「待てよ」
その声に聞き覚えがあった。
顔をよく見たらこの人、ファミレスで先輩と一緒にいた人だ……。
「要は特定の女はつくらない。彼女になんてなれない。いろんな女と遊んでるんだよ。だから調子乗んな」
「…………」
「来るもの拒まず去るもの追わず、なんて言うけど要はそんなんじゃない。来るもの選んで自分から去る」
「…………」
「あんたも傷つかないうちに自分から去れば?」
この先輩はなにが言いたいんだろう。