ドキドキ、はするかも。

一緒にテーマパークに行って、手を繋いだときかな。

すごくドキドキした。
心臓が壊れるんじゃないかって思ったくらいに。


そういえば、さっきドキドキしたのも、伊月先輩に手を握られたときだったような……。



「優乃」

「あ、翔ちゃん」

「お前、ほんとさっきのやめろよ」

「元はと言えば中山くんが優乃を置いて行ったのが悪いんでしょ?」

「は?それは……」

「優乃のせいにするのやめてよね」

「はぁ……俺が悪いよ」

「当然」



わたしより先に理沙ちゃんが代弁して言ってくれる。

翔ちゃんはため息をつきながらも理沙ちゃんの言葉を受け入れたから、わたしはもうなにも言わない。


それよりも気になることがある。



「伊月先輩となにか話してた?」

「……べつに」

「失礼なこと言ってないよね?」

「なんで俺が言ってる前提なんだよ」

「だって、翔ちゃんから突っかかってるように見えたもん」



声もいつもより低かったし、あれは完全に怒って拗ねてたし。

それくらい、幼なじみだからわかるもん。