すごくドキドキする。

今度こそ心臓壊れちゃう。


わたしの手首を離した先輩の手が頬に触れる。

そこから熱を帯びて、全身に広がる。



「……本気で言ってる?」

「……もちろん、本気です」

「優乃はおれのこと?」

「はい」

「もっかい言って」

「……先輩のことが好き、です」

「もっかい」

「好き、です」

「もっかい」

「……好き」



その瞬間、背中に手を回されて思いきり抱き締められた。

先輩の腕の中にすっぽりおさまってしまう。



「やばい、どうしよう。意味わかんねぇくらいうれしい」



ぎゅっと強く抱きしめられて少し苦しいけど、わたしも同じ気持ちだから背中に手を回す。

先輩が本当に喜んでいるのが伝わってきて、わたしもすごくうれしい。


ほかのだれでもない、いまわたしが先輩に触れて抱き締められている。

その事実に胸がいっぱいになった。



「あの、先輩は……?」

「好きだ」

「っ、」



わたしも聞きたくて尋ねるとすぐに言葉をくれる。