恥ずかしくなって両手で顔を隠す。

気づいたらすぐに言葉にしていた。

大切なことだからもう少しちゃんと考えてから言えばよかった。


ちょびっと後悔。

でも、言いたくなってしまったんだから仕方ないよね。



「……優乃」

「……はい」



心音がうるさくて余計に恥ずかしくなる。

先輩に聞こえてるんじゃないかな、と思うとますます加速する。



「顔、見せて」

「だめです……恥ずかしいです……」

「見たい」

「うぅ……」

「見るよ」



そう言うとわたしの手首を優しく掴んで、顔を隠す手をずらされた。

再び至近距離で先輩と目が合う。


だけど、先輩もわたしと同じくらいに顔が赤い。

クールな表情ばかりな先輩も、こんなに赤くなるんだ。


もしかして、わたしと同じなのかな……?



思わず先輩を見つめた。



「顔真っ赤。かわい」

「せ、先輩もですよ……?」

「……優乃のが移ったんだよ」