わたしのバカっ!年下の裸を見て鼻血を噴くなんてっ!

これじゃあ年上の威厳が台無し…

「凛々にそんな威厳あったっけ?」

「えっ!今の声に出てた!?」

「ん?うん」

何たる失態っ!!

「…凛々ってさぁ、ちょっと天然だよな。ま、そういう所も可愛いんだけど」

極上の微笑みをその整った顔に乗せると、天音の両手がわたしの方に伸びて、思いっきり鼻に詰められていたティッシュを引っこ抜いてきた。

「っふがっ!?」

「ん。もう鼻血止まったみたいだな」

色気の欠片もない事を色気たっぷりに言われても…!!

カアアッと顔に熱が集まってまた鼻血を噴きそうになっていると、

「…凛々」

名を呼ばれて、恥ずかしさで顔を覆っていた手をどかし、声がした方を見ればそこには真剣な表情をした天音がいて。

「あまね…?」

「聞きたいんだ」

「…っ、」

彼が何を『聞きたい』のか。

それを感じ取ったわたしは息を呑む。

「話したく、ない?」

「っ、ううん…!話したい。聞いて、くれる?」

「聞かせて?全部」

「うん」