「凛々…」
「心配しなくていい。気を失っているだけだ」
なんてことないみたいな武石の物言いに怒りと殺意がわく。
「泣いているじゃねぇか。…凛々になにした」
「…君には凛々ちゃんのパートナーは務まらないよ」
「凛々になにしたと訊いている」
「凛々ちゃんの病気のこと、まだ何も聞かされていないんだろう?聞いたところできっと君は理解出来ない。結果凛々ちゃんは『また』深く傷付くんだ」
「っごちゃごちゃうるせぇよ!凛々は俺が必ず幸せにするし、凛々の病気だって理解してみせる!俺がいる限り凛々はもう傷付かないっ」
「…だといいけどね」
含みをもたせた言い方をして武石はスッと夜の闇の中に消えていった。
俺は自分が言った言葉をもう一度自身に言い聞かせる。
凛々は俺が必ず幸せにする。してみせる。絶対に。
この時は本当に心の底からそう誓ったんだ。
後に武石の言葉通り、凛々を深く傷付けることになるなんて知る由もなく____。