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わたしの事をみんなが見ている。
決して、決して自意識過剰なんかではなく、実際に。本当に。
ザワザワ、ヒソヒソ。
遠巻きにわたしを見ながら何かを言っている。
…これは何かの罰か?それとも修行なのか?
耐え切れなくなったわたしは素早くスマホを取り出し、半泣き状態でこんな目に遭わせた張本人に連絡を入れた。
side.amane
「天音(あまね)、帰ろうぜぇ」
かったるそうに欠伸(あくび)をしながら俺に近付いてきたのは唯一の親友である楢崎慧(ならさき けい)。
ハニーブラウンのふわふわな髪に女顔負けの可愛らしい容姿に白い肌。立派な喉仏と低い声でようやく男と判別つくぐらいな超絶美少年として校内外で有名だ。
当の本人は自分の容姿を酷く嫌っているが。
「悪い、慧。今日ちょっと野暮用(やぼよう)」
野暮用っていうか、すげえ大事な用なんだけど。
「なんだよ、珍しくニヤニヤしちゃって気持ち悪ぃな。まさかデートとか?」
「その、ま・さ・か・!」
俺は興奮を抑え切れずキャラじゃない言い方をしてしまった。
そのぐらい最高に気分が昂っていた。