お茶をひとくち飲むと、

「やっぱり凛々ちゃんの淹れたお茶が一番美味しいな」

ニッコリ笑ってくれるから、わたしも嬉しくなる。

「ありがとうございます。そう言ってくれるの嬉しいです」

少し談笑したあと、「そろそろ帰るよ。今度またごはんでも食べに行こう」とわたしが先生の患者じゃなかったら惚れそうなぐらいのジェントルマンオーラを放ちながら先生は帰っていった。

モテるわけだわ。

実際、このマンションに住んでいる独身女性で先生の事を狙っている人が多いの知っているし。

いくら患者と医者って言うだけの関係だとしても、先生狙いのひとが先生がわたしの部屋に度々来ているのを知ったらわたしはタダでは済まない気がする…。

どんな手痛い目に遭うか、想像しただけで恐ろしくなる。

「…考えるのやめよう」

ふぅ、とひとつ重いため息を吐きベッドに潜り込むとすぐに深い眠りへと誘われたのだった。