「あ、おかえり〜」


ニコっと笑って私を見つめる人は兄ではなかった。


…え!?


思わず2,3歩後ずさってしまう。


なんで…!?


「ん?どした?」


なんで漆原くんがここに!?


漆原樹くん。中身・外見共にイケメンで有名な漆原くん。


クラスでも男女問わず人気者の、まさに高嶺の花的存在の彼。


その漆原くんがなんでここに!?


「えーっとぉ…まあ話すと長くなるからとりあえず家に入れてよ」


二カッと笑う彼


茶髪の髪の毛、少し着崩した制服、私より20センチほど高い身長、きれいな二重…。


…きれいだなあ


思わず見惚れてしまう


「もしもーし?」


「ぅわっ!」


いきなりきれいな顔が目の前に現れ我に返る。


ち、近い…


胸は早鐘を打ち出す。


「俺がここにいる理由、話すと長くなるから家入れてくれないかな?」


「え!?あ、はい!」


同級生だというのに思わず敬語になってしまう。