「ふぅ…」


時刻は午後五時。


大きな家に一人で帰る。


家って言ってもマンションだけど。


駐輪場に自転車を置き郵便ポストを確認してからエレベーターに乗る。


今日は運がよくエレベーターの中は私一人だった。


7階を押し、たどり着くまで待つ。


嫌だな、一人は。


余計なこと考えちゃう


お母さん、元気なのかな


お父さん、何してるんだろう


お兄ちゃん、いつかは戻ってくるよね…?


『7階です』


もんもんと考えているとアナウンスが流れた。


ハッとなって急いで降りる。


私の家があるのは7階建てマンションの1番上の階の1番西の部屋。


エレベーターがあるのは東なのでとても遠い。


ボーッと廊下を歩いているとうちの前に座り込んでいる人影が見えた。


あ、お兄ちゃんかな。明日週末だし。


なんて考えながら近づくと