いつも笑ってて何でもこなせてかっこいい兄は私の自慢だった。


それは今でも変わらない。


でもずっと好きだったわけじゃない。


高校に入る少し前から兄は素行が悪くなった。


夜遅くに帰ってきたり、いかにも悪そうな人といるところを目撃したり…


分担した家事はやってくれてたけど


そして高校生になりさらに目立つようになった。


帰ってくる時刻もより一層遅くなったし、怪我をして帰ってくることも少なくなかった。


なんでこんなに怪我をしてくるんだろう


兄に限っていじめられているってことはないはず


だったら何…?


ある日その謎が解けることになる。


ちょうど一年前頃のある日の夜、お皿洗いをしていたところ怪我をした兄が帰ってきた。


『おかえり〜…ってえ!?また怪我したの!?』


いつもにましてボロボロの兄。


『とりあえずソファ座って。救急箱持ってくるから!』


兄をソファに座らせ自室から救急箱を取ってくる。