ちょっとお兄ちゃん!漆原くん!!


半分怒りと半分諦め。


ほぼ初対面の人と同居!?


お兄ちゃんの知り合いで、そのうえ人気者の彼なら悪い人じゃないと思うけど。


でもちょっと不安だよ〜


ピリリリリリ ピリリリリリ


ちょうどその時私の携帯に着信があった。


『着信:お兄ちゃん』という画面が表示される。


お兄ちゃん!?ナイスタイミング!


「ちょっとごめん」


といって彼を一人にしてそそくさとベランダに出る。


『もしもし美紅〜?』


能天気なお兄ちゃんの声がスマホから聞こえる。


「もしもしじゃないよ!どうゆうこと!?」


『なにが。あ、樹のこと?』


「そう!なんで何も言ってくれないの!」


『まあまあそんな怒んなって』


怒るでしょ!


『今日は樹のことで電話したんだ。詳しいことはおいおい話すから、とりあえず樹と一緒に暮らしてくれねぇか?』


「いやいや、何も知らないのに『はいそうですか。わかりました』って快く初対面の異性との同居を受け入れるかっ!」


ほんとにこの人の思考回路はわからん。


『まあそうか。でも今は話せないことだから受け入れてくれよ。それに同じクラスなんだろ?』


「同じクラスだけど!漆原くんは高嶺の花過ぎて話したことないもん!」


『まじ?あの樹が高嶺の花ねぇ』


これ絶対ニヤニヤしてる!