「影山さん。影山晶子さんの病室は、
あちらです」

看護師さんが案内するがままに、俺は早足で母さんのところに向かう。

カーテンを開けると……


「あら、宙。心配かけたわね」

駆けつけた俺の険しい顔を見て、母さんは穏やかに言った。

あかりのお母さんが、ベッドに添わせた椅子に腰掛けていた。