「影山先生!ちょっと」 同僚の先生が教室に入ってきて、 俺を呼んだ。 「……みなさん、先生は呼ばれたので、 待ってる間『心の本』の17ページを読んでおいてください」俺は言った。 「影山先生、県立病院から連絡があって、お母様のことで急ぎの連絡とのことです」 そう言って同僚の先生は、俺にメモを渡した。 「わかりました。折り返します」俺は冷静を装ったが、冷静ではいられなかった。