日向side


夏也がモテる事は知ってたけど
誰の告白もOKしないと有名だった。

今まで夏也はどんな美人でも可愛い子でも
優しい子でも告白を受け入れた事はなかった。
気になって聞いた時も


「夏くんってさ…
告白されても付き合わないよね。」

『…悪ぃかよ。』

「や、別に悪くは無いけど
単純になんでなのかなぁって」

『…俺』

「え…男が好き的な事…?
それなら人それぞれだし!いいと…」

『ちげーわ!
ひなみたいに告白されてちょっと顔が
好み〜とかで付き合ったりしねぇんだよ。』

「…うるさいなぁ。
今付き合ってる人はそんなんじゃないもん。」


私には今付き合ってる彼がいる。
奥村 蒼くん(おくむら そう)
彼は大学生で全く接点はなかったけど
友達の紹介で出会って告白されて付き合った。

いつも付き合っては長続きしない付き合い
ばっかだけど今回はもうすぐ半年…。
…まだ続いてる方。


『まだ半年も経ってねぇだろ。
それは長続きしてるって言わねんだよ。』


そんな事は分かってる。
蒼くんは優しくてかっこよくて私には
もったいないぐらいの彼氏だけど大学生だし
モテるだろうし心を開ききれない自分がいる。

信用して裏切られたくないし、重たい彼女に
なりたくないって気持ちになってしまう。


「…分かってるし。
私のはどうでもよくて!なんで可愛い子も
美人の子もいるのにOKしないのって!
選び放題じゃん。」

『幼馴染だからって簡単に教えて貰えると
思うなよ。ばーか。』


いつも教えて貰えない。
好きな子がいるとも聞いた事がない。
いい加減教えてくれればいいのにと思う
反面夏くんの好きな子とか聞きたくない
ような気持ちもあった。