「死なないでね」
クミちゃんとフウカに言われ、「はいはい」と答える。そんな会話が3人の間で、挨拶みたいになっていた。面倒だなぁ‥その時はそんなことしか思えなかった。自分なんてどうでもいいって…

「あいつ笑ってるよ〜キモイ!笑うなや!!」
笑っているあたしに、鋭い矢が心臓めがけて飛んできたみたいな言葉。聞こえないふりをしたって、今度はもっと大きな声で言われるだけ。
「キモイッ!」「まぢキモイから!!」
友達の前では、笑顔でいようって、無理してでも笑顔でいたいって思ってたのに‥
クスクス、ニヤニヤ笑う。それが自分に対してじゃなくても、笑い声が怖く感じようになっていた。クミちゃんたちが笑う、その声も自分の事なんじゃないかって、イライラしていた。
家に帰って、一人になった時にやっと気がぬける。ズキズキする心。溢れ出してくる涙が止まらなかった。気付くと手首を見ている。もう何回やったんだろうってくらいの傷が、痛々しく残っている。だけどリスカを辞められない。
苦しいんだよ‥辛いの…たすけて………
誰に伝えればいいかわからない言葉を繰り返しながら、自分の血液をただボーっと眺めている。