「ノブ?」
「そう。」
あたしたちは携帯を耳にあてたまま、話していた。ノブはゆっくりと携帯を耳もとから下へおろし、あたしのほうへ歩いてくる。
「今日ずっとさ、ソラからメールこなくてすっげぇ不安になった。嫌われたと思って。それと、ソラになんかあったんじゃないかって心配になってた。俺、気がついたら車飛ばしてたよ。仕事早退してさ。バカみたいって思うだろ?」
ノブはあたしを抱きしめながら言った。
「ごめんね、ごめんね。ってか血服についちゃうよ。」
あたしは慌ててノブから離れようとした。実はめちゃくちゃドキドキしていた。
「大丈夫だよ!ソラのほうが大丈夫じゃないだろ?車ん中にティッシュあるから、とってくる。」あたしは、車に戻って行くノブの服についた自分の血を見ていた。ティッシュをもって戻ってきたノブは、あたしの手首を拭きながら話始めた。
「ソラとメールするようになって、結構たつじゃん?俺ね、いつの間にかソラのこと女として気になってた。何回か会いに行こうとも思ってて、だけどなかなか言えなかった。今日は突っ走ってきたけど(笑)偶然ソラに会えてさ、ソラのこと見つけた時なんか運命ってかさ、好きだって思ったよ。」