「なんかあったの?どうしたぁぁ??」
あたしが泣いてるのに気づいて、優しく聞いてくる。
10分くらい無言で、あたしはずっと泣き続けていた。ようやく訳を話せた時、ノブの声は怒りでいっぱいだった。
「俺、今からそっち行くから!」
そう言ったと思うと、電話は切れていた。
ノブが住んでいる場所から、あたしのところまで2、3時間かかる。本当にくるのだろうか…半信半疑な気持ちで、携帯に表示された時計に目をやった。3時32分。
少し気持ちが落ち着いて、周りを見渡すと全然どこだかわからない。駐車場?空き地?家に帰らないと。急に不安におそわれ、とにかく歩いた。手首にはロープの後が残っている、口の周りもベタベタして、制服は汚れていた。
どうしてこんなめに合わないといけないんだろう。あたしがなにしたっていうんだろう。自分が汚くてしょうがなかった。男の汚さを知って。あいつらの笑った顔が忘れられない。あのままいっそのこと殺してくれたら、こんなこと思わなくてすんだのに。殺してくれたら、きっとあたし‥ラクになれたよ…