あたしが車の近くにさしかかった時、いきなり車の窓が開いた。
「あのぉ‥ここ場所わかりますか？」
そう言って手にもっている紙をあたしに見せてきた。30代半ばくらいの男の人。
「えっ‥」
とあたしはちょっと困ったけど、車のほうへ近づいて住所の書いてある紙に目をやった。
その瞬間に男の人に腕を思いっきり掴まれた。
ハッとして逃げようと思った時にはもう遅かった。後部座席のドアが開き、もう1人の男があたしの体を車の中へと押し込んだ。それと同時に車は走り出し、おびえているあたしを押し込んだ男がニタニタと笑って見ている。
やばいヤバイ‥恐怖で叫ぶこともできない。
「もうやっちゃっていいっすか？」
「もうちょい待てって。縛っておけっ！」
車の中にはいろんなものが散らばっていた。
「おとなしくしてろよっ！」
「イヤッ！！」
精一杯の声だった。でもそんな叫びをあげたってもうどうすることもできない。両手をロープで縛られ、ガムテープで口をふさがれた。その後お腹を殴られてから、あたしの意識は遠のいた‥。