もう少しで1学期も終わる。中二の夏。
蒸し暑い季節でも、ひんやりと冷たい学校の廊下は、放課後の誰もいない時間だととても寂しいんだ。四階建ての校舎。校舎の中には、真ん中らへんと両端に階段がある。あたしは西側の階段の四階、その一番上の段に一人で座っていた。片手にカッターナイフを握って、手首から溢れだしてくる自分の血液を、ただ眺めている。泣きたいのに、涙なんかでなくて、だからこそ辛くて‥自分で自分を傷つけていた。涙の変わりに血を流して、心を楽にしていた。