「おはよう!ナツっはい!!」
あたしの席の前の席に、フウカが座って手紙をくれた。自分の席以外に平気で座れるフウカがちょっと羨ましかった。あたしがそんなことをしたら、汚いとウザがられるだろう。そんなこと思ったりもしながら、
「おはよー。」
と手紙を受け取った。あたしが学校に行きだしてから、いつの間にかフウカとの手紙交換が日課になっていた。あたしは携帯をもっていたけど、フウカは親が厳しく携帯をもっていなかった。最初の頃の手紙で、“ナツちゃん”じゃなく“ナツ”って呼んでもいい?と書いてあった。フウカはみんなから“フウカ”と呼ばれていたので、自然にあたしもフウカと呼ぶようになったけど、あたしはみんなから“ナツちゃん”と呼ばれていたからフウカはもっと仲良くなるため!にとそのことを手紙に書いたみたいだった。あたしはもちろんいいよと言った。ハルナやジュネ以外でナツと呼ぶ人は少なく、学校ではフウカが初めてだった。
フウカとの毎日の手紙の中で、あたしも自分のことを話すようになっていた。少しずつ心を開いている自分に気がついた。