こんなふうに、男の人に優しくされたのは久々だった。同級生の男子なんて話かけてくるわけないし。ノブのメールを見て、氷のように閉ざしていた心が少し溶けたような気がした。
『ありがとう。あたしイジメられてるの。学校の友達はいるんだけど、あたしが悪口言われてることに対してはなにも言ってこないの。だからあたしもなにも言わないんだけどね。気にしてないって装って、友達の前で無理に笑ってる。一人になった時にだけ泣けるの。強がってるのに疲れて、学校に行けなくなった。でもノブとメールするようになって、元気もらってるんだよ?あたしのこと嫌わないでいてくれるし。』
気がつけば本音を言ってる自分がいた。
『嫌いになるわけないじゃん!!俺はね、ソラと会ったことあるわけじゃないし、まだまだ全然知らないことあるけど、ソラはいい子だと思ってるよ!優しくて素直な子だって。メールって手書きじゃないからみんな同じって感じするけど、結構その人の性格とかあらわれるものなんだよ。だから俺は嫌ったりなんかしないよ。』
涙がでた。あたしも全然ノブのことなんて知らないけど、すごく嬉しい言葉だった。誰かに話ても大丈夫なんだ。本音言っても大丈夫なんだ。そう思えた。