「だけど、悪口を言われる側にも原因があるんだよ。きっとナツにスキがあったんだね。そんなこと言われないように、笑顔でいなさい。ばあちゃんは、ナツの笑った顔が一番好きだよ。」

お母さんは、ばあちゃんから話を聞いたらしく、あたしの顔を見るなりあたしを抱き締めた。
「ごめんね‥気付いてあげられなくて、ごめんね‥」
お母さんに抱き締められるなんていつぶりだろう?優しくって、あったかくて…自分はこんなにも暖かい愛情をちゃんともらっていたんだと、気付かされた。
お母さんは泣いていて、心配かけてしまったと少し心が痛んだ。
親がイジメを知ったからといって、イジメがなくなるわけではない。そんな簡単に解決できるものじゃない。担任の先生は、あたしが学校を休んでいる間何度か家を訪ねてきた。
いつもどうりの先生。先生は、学校に来いとは言わなかった。反対に休んでもいいからという感じで、あたしは先生のどっか教授っぽくないところが好きだった。そんな先生が担任で、気持ちが少し楽になれたからだ。
しばらくの間学校には行かなかった。クミちゃんは心配して、一緒に学校に行こうと迎えにきたりしていたけど、あたしのほうは全く行く気などなかった。