「ずっと好きだったんだ・・・付き合って下さい」
後藤晃くんが、放課後、屋上に私を呼び出して言った言葉がこれだった。
後藤くん、わたし、あなたのことほとんど知らないよ。
「友達から、なら」
「それは、彼女になる前段階としての友達?」
それを聞く?
「まぁ・・・好きになれそうだったら」
「とりあえず、じゃあ、友達から、と言うことで」
半分納得していないような声で、後藤くんが言った。
「斎藤さんは、西野辺町駅から?」
「うん」
「じゃあ、一緒だ。2人で帰ろう」
帰り道、後藤くんは自分の家族のこと、友達のこと、趣味の写真のこと、・・・・いろいろなことを話してくれたけど、私は、自分のこと、なにひとつ話せなかった。
「斎藤さんのことも、もっと、知りたいな」
後藤くんが、明るく聞いた。
「・・・私、口下手で。手紙を書くのは好きなんだけど。友達に手紙を書くときみたいにスラスラ言葉がでてきたらいいのにね」
ちょっと、自虐的に言った。
後藤くんが、ふと思いついたように、
「じゃあさ、交換日記をしようよ。ほら、あそこに文房具店もあるし・・・」
と言うやいなや、店に入って1冊のリングノートを買ってきた。
「まずは、斎藤さんからな。『友達に手紙を書くように』書いてくれよな」
私は、そのノートを受け取り、大切にカバンにしまった。
後藤くんは、私の向かう駅とは反対方向だったので、西野辺町駅で別れた。
ほとんど知らない相手との交換日記。いったい何を書いたらいいんだろう。
後藤晃くんが、放課後、屋上に私を呼び出して言った言葉がこれだった。
後藤くん、わたし、あなたのことほとんど知らないよ。
「友達から、なら」
「それは、彼女になる前段階としての友達?」
それを聞く?
「まぁ・・・好きになれそうだったら」
「とりあえず、じゃあ、友達から、と言うことで」
半分納得していないような声で、後藤くんが言った。
「斎藤さんは、西野辺町駅から?」
「うん」
「じゃあ、一緒だ。2人で帰ろう」
帰り道、後藤くんは自分の家族のこと、友達のこと、趣味の写真のこと、・・・・いろいろなことを話してくれたけど、私は、自分のこと、なにひとつ話せなかった。
「斎藤さんのことも、もっと、知りたいな」
後藤くんが、明るく聞いた。
「・・・私、口下手で。手紙を書くのは好きなんだけど。友達に手紙を書くときみたいにスラスラ言葉がでてきたらいいのにね」
ちょっと、自虐的に言った。
後藤くんが、ふと思いついたように、
「じゃあさ、交換日記をしようよ。ほら、あそこに文房具店もあるし・・・」
と言うやいなや、店に入って1冊のリングノートを買ってきた。
「まずは、斎藤さんからな。『友達に手紙を書くように』書いてくれよな」
私は、そのノートを受け取り、大切にカバンにしまった。
後藤くんは、私の向かう駅とは反対方向だったので、西野辺町駅で別れた。
ほとんど知らない相手との交換日記。いったい何を書いたらいいんだろう。