唯花ちゃんが自分の席に着いたのを見てから、私は咲希にお礼を言った。

「咲希、一輝先輩の話してくれてありがとう。私、昨日一輝先輩と話したことすっかり忘れてたよ。もうダンのせいでそれどころじゃないんだもん」

「うん。でもね、柚葉。一輝先輩は結構強引だからね。一輝先輩のファンに恨まれないように気を付けて」

「やだ、そんな怖いこと言わないでよ咲希。私は一輝先輩と何もないもん。大丈夫だよ」

「はぁー、これだから自覚のない子は手に負えないのよ。柚葉はもっと恋愛に対して成長しなくちゃ。暖先輩に色々と勉強させて貰いなよ」

「勉強って。もう咲希ってば他人事なんだからぁ」