その日の夜、咲希にダンと嘘カレカノになったことを打ち明けようと思ったけど、電話じゃ上手く話せそうにないし、なにより朝まで話してしまいそうだったから、明日学校で話すことにしよう。
ベッドに入ってから今日のダンの提案のことを思い返してみる。
嘘で付き合うって、どうしたらいいんだろう。
今まで彼氏がいなかった私にはお付き合いするということがどういう事なのか、何をしたらいいのか、さっぱり分からない。
そして、ダン。
ダンは何の迷いもなく嘘で付き合おうって言ってきたよね。
バンドにプラスになるから、あの提案をしてきただけ。
私のことはひとつも好きじゃないってこと。
そこだけは勘違いしてはいけないよね。
なぜだろう、そう思っただけで気持ちが沈んでいく。
色々と考えているとなかなか眠れず、いつの間にか空が明るくなっていることに気が付いて、眠ることを諦めて早起きをすることにした。