「本当の本当はダンと一緒に居たい。けど・・・」
「うん、それでよろしい。じゃ、俺と母さんは先に帰るから。ダンと柚葉はホテルに泊まってから朝早く帰っておいで」
「はぁ?」
「えっ?」
私とダンの声が被った。
ダンも初耳だったらしいの。
「ハル、何言ってんだよ。俺が帰るよ」
「ダン、誤解するなよ。ホテルに泊まるって言っても別の部屋だからね。そうじゃなきゃ母さんが許してくれないよ」
そうだよね、先生と一緒に泊るはずだったんだもん。
そんなの先生が許すわけ・・・ない。
「柚葉ちゃん、暖くんと清い交際ができるのなら一緒に泊って行きなさい。私と貴春は今夜のうちに戻るから。約束できる?」
「えっと、本当にいいんですか? 私、約束できます」
「じゃあ、暖くんはどうかしら?」
「えっ、いや、あの、」
ダンがはっきりと返事をしてくれない。
そんなダンを見たたっくんが、
「ダンさー、変なこと考えてんだろ。柚葉には何もしないって断言できなかったらこの話は無かったことにするからね」
「ばっ、ばか。そんなん何もしないよ。うん、約束する。約束します」
「よし! 決まりな。そしたら母さん、俺たちは帰ろうか」
たっくんが私とダンにホテルの鍵を手渡して、先生と帰って行った。