そんなユズを柱の陰から観察していたら、今にも泣きだしそうな顔をするからたまらずもう一度声を掛けた。

これでユズがまた冷たい態度を取ったら、もう俺はこんな女のことは助けないって思いながら。

するとどうだよ、冷たいどころか大泣きして。

そのユズの涙を見て、なんでか俺は「この子だ」って感じたんだ。

そんなユズと嘘で付き合うようになったけど、ユズに香梨奈のことは言えずにいた。

それが悪かったんだな。ユズはずっと香梨奈の存在を誤解していて。

それを聞いた瞬間、香梨奈が妹だって説明せずにユズを香梨奈が入院している病院へ連れて行ったんだ。

ユズは香梨奈のことをとても心配してくれて、そして香梨奈のことを可愛いと言ってくれる。

香梨奈も会ったことのないユズにずっと会いたがっていたし、この二人は仲良くなってくれるって確信したんだよ。

やっと香梨奈が退院して、すぐにユズがお見舞いに来てくれた。

やっぱりこの二人はすぐに仲良くなって、俺は安心したんだ。