そんな時、駅でユズに出会ったんだ。

俺が高二、ユズが高一、そして香梨奈が小六に進級した頃だ。

ユズが涙をぐっとこらえて駅で立っている姿を見て、声を掛けずにはいられなかった。

それなのにユズは俺のことを訝しそうな目で見やがって。

いつもならそんな態度を取られたらそこまでの関係なのに、俺はユズのことが気になってそのまま駅でユズが帰ってくるのを待った。

見るからに肩をがっくりと落として、駅に戻ってきたユズ。

見事に落ち込んでいる。