「ダン、どうして? 今何時なの? 学校は? なんでここにいるの? お母さんは? えっ、私寝てたの? ダン・・・。あっ、ダンじゃないや。暖先輩だった」
「ほんっとにユズはムカつくな。なんで暖先輩って言うんだよ。バカ!」
「バカって」
「まあいいよ。ユズの質問な、全部答えるから良く聞いとけよ」
「はい」
「今は11時。学校はサボった。ユズのお母さんは仕事に行った。ユズは熟睡してた」
「うん、分かったよ。ありがとう。それで、どうしてダンがここにいるの?」
「朝、ユズの家の前で待ってたらお母さんが出てきて、ユズの具合が良くないからって言ってて。俺が看てますから心配しないでくださいって言ったら家の鍵を渡してくれた」
「やだ、お母さんったら。でもどうして家に来たんですか?」
「だからさ、その敬語もムカつくんだよ。お願いだから、暖先輩ってのも、敬語もやめて。じゃなきゃ今度は俺が倒れる」
「暖先輩はそんな事じゃ倒れません。私は元に戻っただけですから」
「どこの時点に戻ってんだよ。戻る必要はないだろ」
「んー。どこまで戻ればいいんだろ。私も分からない、です」