泣き疲れたはずなのに一睡もできずに夜を過ごした私は、朝になると急に眠気が襲ってきて。
それでも学校へ行かなきゃならないから重い体をベッドから起こした。
その瞬間、目の前が真っ暗になりベッドに倒れこんでしまった。
ああ、めまいがする。頭も痛い。
いつも6時にセットしているスマホのアラームが音を出さずに震えている。
今日は学校をお休みしようかな。
7時半になり、お母さんがいつまでも起きてこない私を心配して部屋まで来てくれた。
「柚葉、どうしたの? 具合悪い?」
「うん。頭が痛くてね、ちょっとめまいがするの。今日はお休みしてもいいかな」
「分かったわ。どれ、熱はないみたいね。お母さんはもう仕事に行くけど、一人でも大丈夫?」
「大丈夫だよ。ゆっくり休めば治ると思う。お母さん、ありがとう。行ってらっしゃい」
「早く帰ってくるわね。大人しくしてるのよ」
お父さんはもうとっくに会社へ行ったし、忙しいお母さんも仕事に向かった。
私は静かになった部屋のベッドに横になり目を閉じた。
そして私は目を閉じた瞬間に意識を手放した。