学校からの帰り道で、唯花ちゃんに彼氏ができたことをダンに話してみた。

「それでね、唯花ちゃんとても幸せそうなんだよ。良かったよね」

「なんで一輝はその子と付き合わなかったんだろうな。付き合っちゃえばユズにちょっかい出さなくなるのに。バカ一輝だな」

「ふふっ、一輝先輩は私にちょっかいなんてしてこないよ。変なことを言うね」

「ユズはいいな。そのぽわぽわした性格、好きだよ」

「すっ、好きって!!」

「ん? 俺、ユズのこと好きだぞ」

「こっ、心にもないこと言わないでよね。バカ!」

ダンは平気で好きとか言うようになって。

それって一輝先輩が私に”柚葉ちゃん、俺と付き合おうよ”って言うのと同じだよ。

その”好き”はダンも一輝先輩も私のことを想っての”好き”ではないから。