「な、ダン。ダンがユズを見つけてきたんだろ」
「ああ。ユズが来てくれて良かったよ。サンキュ、ユズ」
ダンにお礼を言われて、にっこりと笑って見せる。
うん、大丈夫。ちゃんと笑えてる。
「よし、そろそろ解散しようか。あまり遅くなるとユズが心配だからな。ユズはどっち方面に帰るの?」
タクさんが帰り道を心配してくれている。気付くともう8時を過ぎていた。
「私の家は最寄り駅から近いので一人でも大丈夫です。タクさん、心配してくれてありがとうございます」
「ばーか! 送ってくよ。ユズは俺と帰る方向一緒だろ。タク、そう言うことだからユズは心配ない」
「えっ?」
ダンが同じ方向だから、って嘘をついた。
「ダ、ン?」
「いいよ、ユズは黙って俺に送られとけ」
ダンが強引に言ってくる。どうして?