ホッと胸を撫でおろしていると、唯花ちゃんがまた私の所へ来て、
「本多さんが暖さんとお付き合いしているなら、一輝さんが話し掛けるのも納得できたよ。一輝さんは暖さんと仲が良いって聞くものね。今度私にも一輝さんのこと紹介して欲しいな」
「一輝先輩を紹介するって言ってもね、私はそこまでの知り合いじゃないし。唯花ちゃんから話し掛けてみたらどうかな?」
「えーっ。それは緊張するから本多さんに頼みたいの、お願い!」
「それはちょっと無理か・・・」
唯花ちゃんに断ろうとしたんだけど、もし私がここで断ったら唯花ちゃんにどう思われるかなって考えてしまって、その先が言えなくなってしまった。
そこまで仲良くない唯花ちゃんだから波風は立てたくない。
「今日の放課後、一緒にバスケ部の練習を観に行こうよ。その時に紹介してくれるだけでいいから。決まりね。よろしくね」
唯花ちゃんは自分の言いたいことだけ言って、席に戻ってしまった。