「…そこに、誰が住むの?」

「俺とお前以外に誰がいる?」

「は……ハァーーーー?!何でそう話が飛躍するの?!」

急ブレーキがかかって、また車が赤信号で止まると同時に
碧人さんは私の頭をそっと掴み、唇にキスを落とした。

驚きすぎて、目も閉じれなかった。 これはあの時のような事故キスとは違う。
甘い余韻にゆっくりと目を閉じて、少しの間酔いしれる。

唇を離すと、暗がりで見えた碧人さんは不敵に笑った。

「だってお前俺の事が好きだろう?」

どこまで自信過剰だと言うのだろうか。
てゆーか私の気持ちとか無視でどうして勝手に話を進めるのよ。

信号が青に変わると何事もなかったかのようにハンドルを握る。  び…びっくりしたあ。このままじゃあ心臓発作で死んじゃうかもしれない。

両手を胸で押さえて、ゆっくりと深呼吸して息を吐く。

「……どうしてバレちゃうかなあ…。 てゆーか心と身体って別物って本当だ。
碧人さんの事なんて、絶対好きにならないって思っていたのに。
いつの間にか、こんなに好きになっちゃうんだもん…」