愛依は、俺を睨みつけてどこかへ走っていこうとした。

俺は咄嗟に愛依を追いかけようとした・・・けど。
紗奈が俺を行かせまいと、腕を掴んでいる

「ちょ・・・」

「か、彼女!居てもいいから・・・!2番目でもいいからっ!」

必死に紗奈が言う。


「・・・ごめん、無理。」



俺は紗奈を振り切って、愛依を追いかけた。






すぐ愛依には追いついた。

愛依を引っ張って、こっちに向かせる。
愛依は大きな瞳に涙をためて俺を睨んでいた。

その瞳に、一瞬怯む。

「最っ低!!"友達と遊ぶ"とか言って何、女と会ってんの?!」

愛依が俺から逃れようとしてジタバタする。
でも、俺の力には敵わない。

「違う、愛依。聞いて・・・」

「何が違うの?!バカッ!最低ー!!」

いつも気の強い愛依が、涙を流している。
強気な言葉を言うけど、かなり傷ついているんだ。

「愛依・・・」


「愛依ちゃん?」

突然見知らぬ男が愛依に声をかけた。