「隣いーですかっ?」

合コンに参加している女の1人。
ショートカットで小柄。何処となく愛依に似てる・・・。

「さっきからめっちゃ不機嫌な顔だよねー。どうせ人数合わせでしょ?あたしもそうなんだ~」

そう言ってチューハイを飲む女。
つか、こいつも人数合わせなら俺もいらなくね?

「あ~あたしの名前、紗奈!」

そして紗奈とか言う女は、それから何を話すわけでもなく俺の隣でただ酒を飲んでいた。


_.....

「そろそろ終わるかぁ~」

隼人がそう言って解散。

俺は誰よりも早く店から出ようとしたとき、誰かに腕を掴まれた。
・・・さっきの紗奈とかいう女だった。

「ちょっと話あるの。・・・いい?」

紗奈は、あの愛依と同じ気の強そうな瞳で言った。








カラオケ店の前。
俺は紗奈と2人で居る。


「それで、話っていうのは・・・」

だんだん声が小さくなる紗奈。
何??

「・・・ずっと好きでしたっ!付き合ってください・・・!!」

・・・・は?

「ずっとって・・・俺ら今日初めて会ったじゃん。」

「えっと、知らないかもしれないけどあたし、あんたと同じ大学なんだよ。教育学部なの。人数合わせとか嘘。それで、ずっと前から知ってて・・・」

顔を赤くして言う紗奈。

いつもなら、「無理。」の一言で終わらせるんだけど・・・こいつ、愛依に似てて断りにくい。
って俺、どんだけ愛依に執着してんの。

「えーっと・・・」

言葉につまっていたとき、・・・俺は瞳の端でいるはずのない愛依を見つけた。


「愛依・・・っ?!」