「アリッサ、お前の婚約者が決定したぞ」

「もう……またですか。 お父様はそうやって私の了解無しに勝手な」

「いやいや、これはいつもの候補の選定ではないぞ? ついに決定したのだ」

「は?」

「明日やって来る事になっている。 相手は隣国サウスマルケリアの公爵家次男だ」

「明日ですって?」

「私が選んだ相手だ、楽しみにしていなさい。 というのもな、その者はサウスマルケリアの国王自らのお墨付きなのだ。 全く、これでやっと肩の荷が下りるというものだ」