ほのかと私は別のクラス、そしてゆうりとほのかも別。 二人のクラスは隣同士だから、ゆうりは毎日のようにほのかの所に顔を出していた模様。
 私のクラスに顔を出した事なんて数回しかないのに。

 どうやら、ゆうりの好きな子というのは彼女の事で間違いない。

 よく見ると、白シャツの下からピンクの下着ラインがうっすら透けている。 スタイルも顔も噂通りで、まるでアイドルといった雰囲気。
 ベストはいつも着ないから、男子生徒の注目は集まりやすい。
 それでも女子の反感を買わないのは明るい人柄と素直さ、そして優しい子との評判だから。

 対する私はスタイルも顔も人並み程度。 男子から告白されたのだって、ゆうりを含めると二人だけ。
 しかもそのもう一人は、罰ゲームで告白させられたなんて言うから腹立つじゃない。
 頬を張り倒してやりたかったのに、それができなかったのは私がお人好しだから。

『あぁ……そう、なんだ?』

 怒ってもいい場面なのに怒れない私はただ笑うだけだった。

 そうなると、ゆうりはどうして入学式直後に私に告白したの? まさか同じく罰ゲームだったとか?

「じゃ、そういう事だから」